このページは、中村哲さん講演録「平和の井戸を掘る」に関わる
様々なお話を掲載していきます。

その2  中村哲さんからの手紙 2002.11.14up

ピースウォークのみなさん、お元気ですか。その節は大変お世話になりました。
来年からは、さらに活発な現地事業を計画しています。みなさんのお陰で、ペシャワール会=PMSの仕事は、多くの良心的な若者たちの力を加え、着実に歩み続けています。改めて感謝申し上げます。
案の定、アフガニスタンはニュースから遠のき、爆撃と復興支援さわぎの後、イラク・北朝鮮とめまぐるしく話題が移り、今現地で何が起きつつあるか、殆ど知られなくなっていると思います。ペシャワール会では、ささやかながら、実情を伝え続けていますので、時々ペシャワール会のホームページを参考にして下さい。
ところで、講演録ですが、これは非常によく出来ていて、小生の言いたかったことをコンパクトに良くまとめ、最上の出来だと思っています。金太郎飴のような話をあちこちでしてきましたが、この頃、人に現地のことを訪ねられるときに、黙ってこの「たまご色の本」を渡すことにしています。たまごから何かが孵ることを期待します。
何やら、きな臭い世情ですが、いっそうのご奮闘を心から願っております。
みなさまにくれぐれも宜しくお伝えください。
11月13日
中村哲

その1  2002.10.17up

こんにちわ。
『中村哲さん講演録 平和の井戸を掘る』の係をしているかねこ
あさみと言います。
先日、問い合わせ先になっている私の携帯にこんな電話がありました。
 
「前に本をおくってもらった××郡の○○というもんですが・・」
私はこの××という地名を覚えていました。というのは、この地名、
私は生まれて初めて見るところで、送り先がいきなりこの××郡で
始まっていたので、どこの県かもわからず調べたんですね。
(私が無知の涙なのか、世の中、知らないところがいっぱいあると
日々発見しています)
「2冊送ってもらって、1冊を友達にやったんやけど、その友達が
これはいい本だからもっと他の奴にも読ませたいっていうんで」
10冊を再度送ってほしいとの依頼でした。
「元兵士の集まりがあるんで、それに間に合わせて欲しい」という
のが電話をされた理由でした。この○○さんは御年83歳。
元々、私たちの講演録は地元の方々やそれぞれの身近な方に読んで
もらいたくて(野望少なく?)、作りました。それが応援してくだ
さる方が増えていって徐々に広まっていきました。私たちの予想を
越えた広がりに驚くばかりです。
今回のお電話の方のように、遠くに住む、戦争に行かれた年代の方
と出会うことができること。そのことも思ってもみないことでした。
私たちは本を買っていただいているわけですが、じつはたくさんの
出会いとともに、力をいただいているんですね。中村さんの言葉を
共有できる人がこのようにいらっしゃることを日々実感できて、
幸せです。