アフガニスタンからの報告 中村哲さん講演会2014~軍事力で平和は築けない ペシャワール会の30年~

【日時】 2014年8月31日(日)開場13:30 開演14:00
資料代 500円 申込不要
【会場】 京都大学・法経第4教室(時計台北側)
市バス「京大正門前」【206、201、31系統】、「百万遍」【17、3、203系統】

【主催】 ピースウォーク京都
【連絡先】 080-6159-6073


「私たちは自然さえ科学技術で制御でき、カネさえあれば豊かになれ、武力を持てば安全とする錯覚の中で暮らしています。 そして世の中は、自然から無限大に搾取できるという前提で動いています。疑いなく、ひとつの時代が終わりました。カネと暴力が支配する世界は自滅への道を歩んでいるように思われます。」
ペシャワール会報120号 2014年6月25日 ~中村 哲~

「『平和への貢献』とは喧嘩に加わることでも、喧嘩の道具を輸出することでもない。暴力化する世界情勢を生き残る道は、無用に敵対をつくらず、 犠牲を減らす努力である。そしてそれこそが破局を救う現実的な国際貢献となり得るのだ」
(中村哲さん 2014)

中村哲医師は30年間にわたって、パキスタンとアフガニスタンでハンセン病医療をはじめとした医療活動を続け、2000年の大干ばつを機に、砂漠化した農地の回復のため水利事業がその活動の中心となりました。この活動を「ペシャワール会」が支えてきました。

私たちピースウォーク京都は2001年の冬から、これまで8回の講演会を開催してきました。集団的自衛権行使が閣議決定され、平和憲法が危機に瀕している今、再び中村哲さん講演会を開催し、中村さんとペシャワール会が紡ぎ出してきた平和の歩みに学びたいと思います。


大干ばつと戦争、井戸を掘り食料援助を行う

2000年、大干ばつで1200万人が被災し、400万人が飢餓線上をさまよっていたアフガンで中村さんは「まずは生きておれ、病は後で治す」と、飲料水確保のための井戸掘り事業に着手。1年間で600本の井戸を掘り、20万人の飲み水を確保したところに、2001年9・11事件が発生。アメリカは報復と称し、アフガンに大規模な空襲を始めました。 大干ばつに加えた戦争で、人々がさらに絶望的な状態に追い込まれた冬、中村さんの日本中を回った食料援助の訴えに「命の基金」1億5000万円が集まり、小麦粉と食用油が、空襲の中で直接アフガンの人々に手渡されました。

農村復興のために用水路建設に挑戦

アフガニスタンは、人口の8割以上が農民という伝統的農業国です。戦乱のなか、農村の復興こそが重要だと考えた中村さんは、大河、クナール川から取水して干ばつにあえぐ大地を潤すという大事業への挑戦を決意します。
2002年春からアフガン東部山村の長期的復興計画「緑の大地計画」を開始し、さらに翌年、マルワリード灌漑用水路建設が開始され、7年後に最終地点のガンベリ砂漠までの25.5Km・灌漑面積約3000haが完成しました。この工事には日本の伝統工法が多用されました。頻発する大洪水に命がけの水路の復旧活動を経て、その有用性が実証され、更に改良を加えながら近隣の地域に次々と用水路が建設されています。
大洪水の繰り返しで困難だった安定灌漑を実現し、合計16500haの不毛の砂漠が、65万人の命を養う緑の農地によみがえりました。かつて100%近い食糧自給率を誇ったアフガンは、現在は半分以下に自給率が落ちたと言われています。人々が食べて働き暮らしが成り立つことが、平和への大きな力になり、農業復興のモデルを示す意義は少なくありません。灌漑用水路建設の総額は20億円、すべてがコツコツと重ねられた寄付によります。
アメリカはアフガンに100兆円を超える軍事費を投入し、殺戮と破壊と混乱だけを残して撤退=敗退したのです。

「戦争をしない」憲法に守られて活動

ペシャワール会30年の活動は、「現地の人々の立場に立ち、現地の文化や価値観を尊重し、現地のためにはたらく」ことを大切に継続されてきました。
アフガニスタン東部では、かつて多くの外国NGOが活動していましたが、戦乱の中ですべて撤退しました。アメリカの戦争に加担し出兵した欧米諸国と対照的に、武器を持って戦闘しない「平和憲法」を持つ日本への親近感が失われなかったことが、現地での活動の安全を支えてきました。武力を行使しないことが、戦乱の地で最も有効な安全の要であることをペシャワール会30年の活動が実証してきたのです。


中村 哲 氏(略歴)

ペシャワール会現地代表。PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長。
1946年福岡市生まれ。国内の診療所勤務をへて1984年パキスタン北西辺境州のペシャワールに赴任アフガン難民の診療に携わり現在に至る。マグサイサイ賞、イーハトーブ賞など受賞。


ピースウォーク京都は、

9・11事件の直後に、戦争に反対し、平和を自分の声で訴えていきたいと歩み始めました。以来、アフガン戦争、イラク戦争、自衛隊の派兵に反対して、繰り返し街を歩いたり様々な取り組みをしてきました。そのなかで2001年より中村哲さんをお招きして講演会を開催してきました。

◆運営実費のカンパをお願いします
※当日のカンパは講演会運営費を除いてペシャワール会に送らせていただきます

〔振込口座〕
京都銀行 下鴨支店 (普)3213202
ピースウォーク京都

郵便振替 00990-1-297950
ピースウォーク京都

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