中村哲さん講演会2006 アフガニスタンからの報告・平和の運河を拓くⅢ

【日時】 2006年10月22日(日) 開場13:30 開演14:00
【場所】 ノートルダム学院小学校 NDホール(講堂)にて(地下鉄烏丸線「北山駅」下車、1番出口から徒歩5分)
【入場無料】
【主催】 ピースウォーク京都

▽当日のカンパは講演会運営費を除いて、ペシャワール会に送らせていただきます。
▽手話通訳が必要な方は、当日受付に申し出て下さい。
▽駐車場はありません。
▽運営実費のカンパを求めています。よろしければご協力ください。
 振込口座 京都銀行下鴨支店(普)3213202
 郵便振替 00990-1-297950
 口座名・両方共に、ピースウォーク京都


平和の運河を拓くⅢ

 中村哲医師は22年間にわたってパキスタンと、アフガニスタンでハンセン病医療をはじめとした医療活動を続けておられ、私たちは2001年の冬から、これまで5回の講演会を開催してきました。

 はじめに私たちが中村さんをお呼びしたとき、アフガニスタンは大変な飢饉に直面していました。アフガニスタンでは、その前の年の2000年夏に大干ばつがおこり、1200万人が被災して400万人が飢餓線上をさまよっていました。中村さんは「まずは生きておれ、病は後で治す」と語って、飲料水確保のための井戸掘り事業に着手。同年7月より1年間で600本の井戸を掘り、20万人の飲み水を確保しました。さらに400本の計画が進行中でした。

 ところが大干ばつから立ち上がろうとするこの国の人々を、さらなる悲劇が襲います。2001年、アメリカのニューヨークで9・11事件が起こりました。アメリカは、オサマ・ビンラディンを犯人と断定し、彼の引渡しを留保するタリバン政権を脅し、やがて10月7日より大規模な空襲を始めました。干ばつに加えた戦争で、難民が絶望的な状態におかれる。そう考えた中村さんは、帰国して日本中を回り、食料援助のためのカンパを訴えました。日本から集まった1億5千万円の資金で、中村さんは1800トンの小麦粉と、170キロリットルの食用油を買い付けて、現地に送りました。このとき私たちも、講演会で200万円のカンパを集めて、現地の人々に役立ててもらいました。

 翌年1月に現地に戻った中村さんは、荒廃する大地をくまなく調査して、さらなる大事業への挑戦を決意します。大河、クナール川から取水して、干ばつにあえぐ高台を潤す治水事業です。

 工事は2003年3月に開始されました。技術的にきわめて困難で、しかも資金も人手もかかるといわれた工事でしたが、地元の人々が600人参加して始められました。しかも用水路工事の噂を聞いて、故郷を捨てた難民の多くがこの地に戻ってきました。それらの人々を吸収しながらこの大事業は進み、翌年3月に一部の開通が実現しました。

 中村さんは、用水路建設にあたって、近代工法ではなく、アフガニスタンの伝統的な石工技術と、日本の古来の知恵をふんだんに投入しました。コンクリートを多用したものでは、壊れたときに地元の人では直せないからです。地元の人が、手にある技術と身の回りにあるもので、維持していける運河がめざされました。中村さんの故郷・九州筑後川で、江戸時代の水争いを収めるために、大河から取水した技術なども活用されました。

 このため、工事はたくさんの人が参加可能なものとなり、次々と戻った難民が、家を建てながら参加しました。この事業は、干ばつと戦争でちりぢりになってしまった人々を呼び戻し、村や町を再生していくものとなりました。人々が、平和に、豊かに暮らしていける基盤が、心の絆と一緒に作り出されたのです。

 昨年の講演会で中村さんは、「アフガニスタンは再生可能ですか」という会場からの質問に答えて、「われわれに資金と資材を投入してくれれば全く可能です。次は溜池です」と語りました。現地ではさらに用水路建設が進み、2006年春には、10キロ地点までが完成し、500町歩の畑を潤すことができるまでになりました。工事は14キロの計画全体の完成に向けて、今も進んでいます。

 ピースウォーク京都が、中村さんをお呼びするのは今回が6回目です。私たちは、9・11事件の直後に、今こそ戦争をとめたい、平和を、自分の声で、一人一人の歩みから訴えていきたいと歩み始めました。以来、私たちは、アフガン戦争、イラク戦争、自衛隊の派兵に反対して、繰り返し街を歩いてきました。声をからしてもとまらない戦争に、幾度も暗い気持ちになりましたが、それでも私たちは、アフガニスタン現地での活動に励まされ、私たちもつながりたいと考えて、今日まで歩んできました。私たちにとって運河の完成は、何よりの喜びです。今年もまた中村さんをお招きして、平和を拓くために必要な何かを、つかんでいきたいと思います。

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