アフガン・緑の大地計画の現場から 復活しつつある農の営み 『アフガン農業支援奮闘記』(高橋修編著)出版によせて
【日時】 2010年5月8日(土) 13:30より(13:00受付開始)
【場所】 ひと・まち交流館京都 大会議室(五条河原町下ル・東側)
【参加費】 500円
【主催】 ピースウォーク京都
【問合】 090-6325-8054 peace[@]pwkyoto.com
『アフガン農業支援奮闘記』の出版に際して、高橋修さんと、ワーカーの進藤陽一郎さんをお招きし、お話を伺います。みなさん。ぜひお越し下さい。
農業支援はどのように進められたのか
ペシャワール会が2002年3月に発足させた「緑の大地計画」の一翼として進められました。井戸による飲料水の確保、用水路による農業用水の確保と共に、乾燥に強い作物の試作・普及により、旱魃に苦しむアフガンに、緑の大地を復興させることが目指されました。高橋修さんを中心に、日本人ワーカー、現地の農民たちが一緒になって取り組みました。
計画はどのような考えで進められたのか
高橋さんが語る「現地主義」の原則が軸になりました。「主役は農家」「現地の技術を改良しながら」「資機材は現地調達を基本として」の3点を中心とするもので、日本からの「技術移転」や「技術指導」という尊大な視点に立たず、アフガンの風土の中で培われてきた伝統的な知恵に学び、農家の意見を集め、課題を共有していくことが核心でした。
現地農民の意見とは何だったのか
農民の切実な要求の第一は「子どもだけにはひもじい思いをさせたくない」でした。主食の確保です。第二には家畜の餌を確保すること。アフガンでは家畜はいざというときの大切な貯金です。第三が優良種苗の配布であり、第四が生活に潤いをもたらす作物の栽培でした。高橋さんたちはこれに節水技術と、地力増強技術の開発・普及を加えました。
実際に栽培に成功した作物は
主食では小麦、米、サツマイモ、そば、大豆。飼料ではソルゴー、アルファルファ。この内小麦は伊藤さんが中心になり、現地農家の工夫を集大成して大成功しました。進藤さんは、これらの成果を普及するために収穫祭を開き、地元の長老達にタネをプレゼントしました。しかし、お茶、ブドウ、除虫菊は四苦八苦の連続であったとのことです。
計画は今、どのようになっているのか
計画は順調に進んでいたものの、米軍の度重なる無謀な軍事作戦によって治安が不安定になる中、2008年夏に伊藤和也さんが拉致され、殺害されるという悲劇が起こり、計画の中断を余儀なくされ、日本人ワーカーが引き上げなければなりませんでした。しかし計画は地元農家に引き継がれ、逞しく前進しています。その報告が現地から届いています。 高橋さん、日本人ワーカー、 現地の農家が一体となった奮闘記を、ぜひ聞きに来て下さい!